Tシャツと映画に夢中

paint12111Tシャツと映画が好きです。なので映画Tシャツは大好物です。
今日は映画、めまいの話し。

ヒッチコックの映画では『逃走迷路』や『北北西に進路を取れ』など、人が高い所から落ちそうになる場面が印象的だ。だが、それらがあくまでも客観的描写であるのに対し、本作では主人公を演じるジェームズースチュワートの主観的表現に初めてチャレンジしている。それは、レンズの画角が拡がって画面の奥行きが深くなるという、逆ズームなどと呼ばれる手法(ズームバックしながらドリーインする)で実現された。以後このテクニックは『ジョーズ』をはじめ、多くの作品に模倣されていく。
他にもこの映画が初めて用いたのが、オープニングに登場する幾何学的なアニメーションである。世界的に有名なタイトルーデザイナーのソウルーバスによる作品としてクレジットされているが、実際の制作者は抽象映像作家のジョンーウィットニー・シニアだ。彼は、ジャンク屋にタダ同然で売られていた第2次大戦中の廃品から、軍艦に使用されていた対空砲制御装置の歯車式アナログーコンピュータを見つけ出し、これでアニメーション撮影台のモーターの
動きをコントロールして、あの美しいパターンを作り出した。いわば元祖CGである(このマシンは、『2001年宇宙の旅』のスターゲートーシーンのヒントにもなっている)。一方で、主人公が見る悪夢のシーンのアニメーションは、世間的には何かと評判が悪い。この場面は、劇中に登場する「カルロッタの肖像」を描いた人物でもある、ジョンーフアーレンが担当していた。
筆者は、彼が担当した映画音楽ではこの作品が 最も好きだ。またこの作品は色彩設計も実に巧みで、映画の前半に登場するレストランアーニーでは真っ赤な壁の前に緑の衣装をまとったブロンドのキム・ノヴァクを座らせ、重要なキャラクターであることを一瞬でわからせる。そして以後グリーンは、彼女を象徴する色として、衣装や車など至る所に登場する。特に映画後半の、安ホテル。エンパイ
ア・の緑のネオンは、窓のカーテンとうまく組み合わされて、主人公の 感情描写にも活用されている。
また、ブロンドのヒロインが重要な役回りになるというのは、ヒッチコック作品のパターンのひとつだが、逆にメガネ女子は好かれないというパターンもあり、本作でその損な役を担っているのがバーバラ・ベルーゲデスだ。彼女は、片思いの主人公をひたすらサポートし続ける健気な旧友として描かれており、個人的に本作の登場人物において最も好感が持てるキャラクターである。