好きな人は好き、久々に読みごたえがあった本

book18最近あまり「なるほど。」とうなることができるような本に出会えていなかったのですが、奥田英朗氏の「噂の女」は読むにつれてどんどん引き込まれて行ってとても面白かったです。
ある一人の女が巻き起こす様々な事件がオムニバス形式で描かれています。オムニバスなのですが、1話ごとに女がどんどん成長というか大きな存在になっていくのがとても面白いです。
1話目は読んでいてもあまり面白いと思えず、正直「失敗したかな」と思ったのですが、2話、3話と読み進めるにつれて主人公の女の正体がどんどん明らかになっていき、正体が明らかになればなるほど、女の謎が深まっていきます。
物語は女に少しだけ関わっている人間目線で描かれています。

女に騙された男や女から殺された男などもいるのですが、そういった女と直接深く関わった人間や、女自身とはあまり関わりのない人目線なところも面白いです。
女に対して嫌悪感を持つ人間もいれば、憧れににた感情をもってしまう女性、非日常的な女の人生を傍観者として外側から見学できる立場にある語り手と同じ目線でこの本を読むことができます。
エンディングは賛否両論別れると思いますが、この女の本にふさわしい終わり方だと思います。