組織のモラルを高める

uniform (9)「自由の国」といわれるアメリカで、今、公立小学校の制服着用が広がりつつあることをご存じでしょうか。
先駆けとなったのは、カリフォルニア州のロングビーチ地区。このエリアで、地元の非行グループの暴力に生徒が巻き込まれる事件が多発したことなどから、1994年に「学校制服法」が制定され、全米で戦後はじめて、公立小中学校へのユニフォーム導入が始まったのです。
その効果は驚くべきものでした。制服が導入されて以来、ケンカや強盗、性犯罪などの学校犯罪や事件が劇的に減ったうえ、出席率が上がるなど、プラスの教育効果まであらわれたというのです。親や生徒からも「勉強に集中できる」「規律が守られるようなった」などと評判がよく、2年後の1996年には当時のクリントン大統領が一般教書で制服導入に対する支持を表明し、1999年からはニューヨークの公立校にも導人されています。
これは、ユニフォームがもつ「規範効果」が顕著にあらわれた例といえるでしょう。もちろん、制服を着るだけで、即、規律が守られるようになるわけではありません。しかし制服には、着用者や、それを見る人の意識をコントロールする力があります。導入に明確な目的意識があれば、ときに大きな力を発揮するのです。
不良による事件が多発している学校には、「学校=勉強をするための場」というコンセンサスがなくなっています。そこにふたたび「勉強の場」という意味を与えたのが制服だったというわけです。